「ダボス会議」として知られる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会は、新型コロナウイルスの影響で今年は当地では開かれていない。1月にしては珍しく、地元住民とスキー客がアルプスの村を独占している。歯科医を引退したエゴン・ケルヒャーさんは、例年この時期にはダボスにある別荘に近づかない。世界を正すため、あるいは人脈を作りにやってくる何千人もの人々が作り出す混雑と汚染がひどいからだ。「落ち着いた感じが素晴らしい」。愛犬のジャーマンシェパードを連れて大きな雪だまりのそばを歩きながら、ケルヒャーさんはそう話した。目の前のコングレスセンターは例年、ダボス会議の会場として使用されるが、今年は誰もいない。
ダボス会議なきダボス、住民は静けさ満喫
政治家も企業のトップも投資家もデモ隊もいない
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