かつて、空売り筋は腕利きのアウトサイダーとして、古くさいウォール街に精力的に攻撃を仕掛けた。だが今や彼らは、大量に空売りした株式の価格をデイトレーダー軍団がオプション取引を使って押し上げるのを高みから見下ろしている。米ゲーム小売りチェーン、ゲームストップの株価急騰はまさにその好例だ。プロの投資家は懸念している。株価の動きがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と明らかに乖離(かいり)し、まるでビデオゲームのように双方がプレーするならば、金融市場はいったいどう機能できるのかと。25日中盤に一時調整が入った後、ゲームストップ株は26日に93%続伸し、1月11日以降の上昇率は600%を超えている。こうした懸念は理解できるが、誇張されている。ここで国際比較をしてみるのも一助になる。一部の主要グローバル株式市場とは異なり、熱狂的な個人投資家が株式市場の真の目的――企業の資金調達を支援すること――を本当にぶち壊しにする状況とは程遠いからだ。