ここ数年ほど足踏み状態にあったミャンマーの民主化は、国軍によるクーデターと文民指導者らの拘束で逆回転し始めている。同国は緊迫した不透明な進路にあり、米国のジョー・バイデン政権に試練を突き付けている。国軍系テレビは1日、クーデター宣言を報じ、軍の勇敢さと愛国心をたたえる歌を一日中流した。アウン・サン・スー・チー国家顧問をはじめとする高官が未明に一斉に拘束されたことで、国内の活動家やジャーナリストは自分たちも拘束されるのではと不安におびえた。10年前に民主化に転じるまで軍政下で生きてきた住民たちは、慌てて食料品を買い込み、ATM(自動預払機)から現金を下ろした。外交筋によると、状況は緊迫しており、先行きは見えていない。ミャンマー在勤の国連関係者は、「過去に置いてきたと思っていたものに、本当に戻るのだろうかという現実離れした感覚」があると話した。
ミャンマーのクーデター、バイデン氏に試練
中国に接近させずに厳しい対応をとれるか
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