――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  どんな米新政権も遅かれ早かれ、主要な構想の一つが思い通りに進んでいないかもしれないという失望感を経験する。バイデン政権には、先週その時が訪れた。欧州連合(EU)の広範な支持を背景にドイツが明確に表明したのは、欧州はロシアや中国に対抗する措置にほとんど関心がないということだった。  ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会合で、欧州は米中対立の構図の中でどちらの陣営にも加わるべきではないとの考えを示し、「ブロックの形成」の動きに警鐘を鳴らした。