フェラーリの次のトップにとっての大きな課題は、このレーシングカーブランドの排ガス削減戦略を管理することだろう。フェラーリが2日発表したところによると、昨年はコロナ禍で同社の生産ラインが7週間停止したことが響き、売上高は10%減少した。これ以外の点では、ほとんど無傷でこの危機を乗り切っている。今年の売上高は昨夏以降の好調な受注に支えられ、コロナ禍以前の2019年通期実績よりも約13%増の予想だ。株価は午前の取引で5%下落したが、これはおそらく、過去数年は予想を上回るのが通例のようになっているフェラーリに対して、一部の投資家がさらに強気の見通しを期待していたからだろう。一般に自動車メーカーは資本集約型で利益率が低いビジネスであり、自動車株は長期投資よりもヘッジファンド取引の方が適しているとされる。だが2015年の新規株式公開(IPO)以来、投資家は徐々にフェラーリを例外扱いするようになっている。生産量の少なさと超富裕層からの受注残が多いことから、投資家はフェラーリを自動車メーカーというより高級品メーカーとしてみている。
フェラーリの排出ガス削減、前途多難か
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