江戸時代末期から作られ始めた「たたみいわし」は、江戸っ子の定番おかずのひとつでした。

 常温保存が可能で、さっと熱を通すだけで食べられるので、江戸の節約おかず番付、『日々徳用倹約料理角力取組《ひびとくようけんやくりょうりすもうとりくみ》』 でも、魚類方・前頭三枚目にランクインしています。

 ただし江戸時代は安価な「たたみいわし」も、現代ではちりめんなどに比べて風味も歯ごたえも落ちる上、作るのに手間がかかるために需要が減り、通好みの高級食材でとなってしまいました。

たたみいわし(『日々徳用倹約料理角力取組』より)
【材料】たたみいわし…1枚
【作り方】 ①たたみいわしの両面を軽く焙るか、フライパンで両面を乾煎りする。※お好みで大根おろしと醤油を添えて。

 そこで一つ、お酒好きにはたまらない、とっておきのいただき方をご紹介しましょう。

 その正体は「たたみいわし酒」。

 たたみいわしを適当なサイズに切って、熱燗を注ぐだけで、乙な味わいのお酒になります。

たたみいわしの吸い物
【材料】たたみいわし…1枚/かえり干し(鰹節でも可)…大さじ2/水…500ml/酒…大さじ1/塩…少々/醤油…小さじ1/2/葱…少々
【作り方】 ①たたみいわしは食べやすい大きさにカットし、葱は小口切りにする。②鍋に水を沸かし、かえり干しを入れて弱火で15分煮たら取り出し、酒、塩、醤油で味付けする。③お椀に1を入れ、2を注ぐ。

 携帯も可能ですので、行楽や旅のお供にも最適です。