コロナ禍による在宅勤務や生活スタイルの変化などにより、若い人たちの間でつみたてNISA口座を開設する動きが急増。2024年からは新NISAがスタートした。『新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容から一部を抜粋・公開してきた本連載。その特別編として、なかのアセットマネジメント 代表取締役社長の中野晴啓さんに「投資に関する素朴な疑問や、新NISAを使って具体的にどうお金を増やしていったらいいのか」について、Q&A方式で答えていただいた。新NISAを使って投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、そのポイントをわかりやすく紹介していく。(構成:鈴木雅光、撮影:石郷友仁)
――新NISAを始めたいのですが、忙しくて勉強する時間がありません。手っ取り早く学ぶ方法はありますか?
中野 書店に行くとNISA関連の本がたくさん並んでいますが、1冊程度買っておけば十分でしょう。それが私の書いた本だったら、嬉しいのですが(笑)。
金融機関の窓口で聞いてはいけない
他の、手っ取り早い方法として、金融機関の窓口で聞くという方もいらっしゃるでしょう。
でも、これはできれば避けていただきたい。というのも、銀行や証券会社の金融機関は、投資信託の販売業者であり、窓口スタッフさんのミッションとして、販売することが課されているので、相談を目的に行ったとしても、販売のプロのペースに入ってしまうと、本意ではない商品に投資してしまうことにもなりかねない、と考えてもらっていいでしょう。
金融機関の窓口で投資信託を買うのは、やめておいたほうが無難です。
ネットの情報も信用してはいけない
では、YouTubeで資産運用を指南している人たちの映像を見て勉強するのはどうでしょうか。残念ながら、これもあまり勧めしません。
YouTubeのようなネットコンテンツは、誰でも映像を撮って投稿できます。資産運用の門外漢でも誰投稿できるですから、客観性が損なわれがちです。
もう少し言うと、XのようなSNSに書かれている内容で投資する人も増えているようですが、SNSだって誰でも簡単に投稿できますし、そこに投稿するに際して、内容が本当に役立つものかどうかなどは、誰も保証してくれません。
結局のところ、金融の専門家が書いている本を熟読していただく。それが最も資産形成の知識を身に付けるうえでの最短距離といっても良いでしょう。
【答え】
信頼できる専門家が書いた本を熟読するのが、資産形成の知識を身に付けるうえでの最短距離です。
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。
なかのアセットマネジメント:https://nakano-am.co.jp/