米ハイテク業界の5大企業は新型コロナウイルス流行前からすでに大規模で、バリュエーションは膨れ上がり、反トラスト法(独占禁止法)を巡る調査の標的とされていた。コロナ禍でその規模はさらにすさまじい拡大を見せている。人々や企業はこの1年で、生活のほぼあらゆる面――仕事や勉強や遊びで使うツール、買い物や交流の仕方、企業運営やマーケティングの手段――においてテクノロジーに一段と頼るようになった。最も厳しい不況とされる中でさえ、コンピューターやビデオゲーム、オンライン小売り、クラウドコンピューティング・サービス、デジタル広告への支出が急増した。その結果、一部の大手企業――そして、これら企業の株価も――が記録的な成長を見せた。航空会社や従来型の小売企業などが生き残りに四苦八苦する一方、米5大ハイテク企業――アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社のアルファベット、フェイスブック――の売上高合計は20%増の1兆1000億ドル(約116兆円)となった。5社の利益総額の伸び率は24%と、さらに大きかった。時価総額合計はこの1年で50%増の8兆ドルと、圧倒的な規模に膨れ上がった。