――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター ***  バラク・オバマ氏が大統領に就任した2009年、米国は金融危機の苦難の真っただ中にあり、即座の行動を必要としていた。対応は早かった。総額8310億ドル(現在の相場で約87兆4500億円)の景気刺激策が、1カ月足らずの期間で議会を通過した。  この対策は、ほぼ民主党議員の票だけで議会を通過した。共和党の下院議員は一人も賛成せず、共和党上院議員はたった3人しか賛成しなかった。政治的に見ると、こうした議会対応は、党派対立の傾向を長く残すという結果を招いた。