多くのスタートアップ創業者は自社のアプリがアップルのアップストアでランキング1位になる日を夢見ている。しかしロビンフッド・マーケッツの最高経営責任者(CEO)であるブラッド・テネフ氏にとってはむしろ悪夢に近かった。新たな投資家層を株式市場に呼び込むため、テネフ氏と共同創業者のバイジュ・バット氏が動き出したのはその8年前のことだ。2人はフェイスブックなど大手テクノロジー企業から引き抜いたエンジニアと共に、取引をなるべくシンプルにして手数料も廃止し、インスタグラムに写真を投稿するくらい気軽に株を買えるようにした。この戦略はうまくいった。新型コロナウイルスの世界的な流行が始まり、大量のアマチュア投資家――外出できず、退屈していて、コロナ対策の現金給付で資金はたっぷりある――が市場のスリルを味わおうと、ロビンフッドに口座を開設した。同社に近い関係者によると、昨年12月末のユーザー数は約2000万人で、数週間後には同社のアプリがダウンロードランキングで1位になった。
ゲームストップ騒動、ロビンフッドで何が起きたか
投資の大衆化に乗り出した同社はウォール街の規制という現実にぶち当たった
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