米アップルの自動車開発プロジェクトには多くの疑問がつきまとうが、次第に明らかになっていることが一つある。信用できる生産パートナーの不在によるプロジェクト失敗はないということだ。提携に前向きな姿勢を示唆する自動車メーカーに、新たに日産も加わった。日産の内田誠最高経営責任者(CEO)は9日、「新たな分野・領域の活動が必須」とし、そのためには各分野・領域で優れた知見や経験を持つ企業の間で「パートナーシップやコラボレーションという活用も選択としては十分に出てくるであろうと思う」と語った。この発言は四半期決算発表の記者会見の場で、アップルとの提携へ向けた意欲を探ろうとする質問に答えたものだ。韓国の現代自動車が先月、アップルと協議しているとのビッグニュースを認めて以来、アップルの自動車開発プロジェクトに既存の自動車業界が果たす役割を巡る臆測が広がっている。8日には協議が頓挫したもようであることが明らかになったが、現代自の株価は依然として年初来23%高の水準にある。ただ、アップルは単一のサプライヤーに依存することはないかもしれない。日本経済新聞が先週報じたところでは、同社は日本のメーカーとも交渉している。