欧州連合(EU)とロシアの最近の対立激化は、ロシア対応でEUとの連携を目指すバイデン米政権にとって好機となりそうだ。EUと米国はいずれも、ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対する実刑判決を巡り、ロシア政府に責任をとらせる方策を模索している。EUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表(外相)は先週、モスクワを訪問し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談した。EU内ではエマニュエル・マクロン仏大統領らが中心となってロシアとの関係強化を唱えており、これを推進する狙いがあった。だが、ラブロフ氏は共同会見で、ナワリヌイ氏の判決について批判したボレル氏に攻撃の矛先を向けた。ボレル氏はその数時間後、ラブロフ氏との会談中に、ロシア政府が同国に駐在する欧州外交官3人を国外追放にしたことを知った。これに反発したボレル氏は7日、自身のブログで「ロシアは欧州との関わりを徐々に断ちつつあり、民主主義的な価値を存続にかかわる脅威だと考えている」と述べた。その上で、ナワリヌイ氏の収監を巡り、EUが制裁措置を科す構えをみせた。
ロシア・EUの対立激化、バイデン政権には好機
米欧の連携につながるか
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