ゲームストップなど空売り筋の標的となっていた銘柄を個人投資家の集団が急騰させた現象は、ウォール街の度肝を抜いた。だが、暗号資産(仮想通貨)の世界では、こうした現象は日常茶飯事だ。個人投資家がこぞってソーシャルメディア上で結託し、特定資産――難なく影響力を及ぼすことができるよう市場規模が小さく流動性が低いものが多い――に狙いを定める手法は、仮想通貨の世界では常とう手段となっている。仮想通貨はプロの投資家の間にも浸透しているが、ディスコードやテレグラムといったソーシャルメディアのプラットフォーム上で横行している価格つり上げの動きになお影響を受けがちだ。こうした戦略の広がりは、オンライン掲示板レディットのフォーラム「ウォールストリートベッツ」が舞台となったゲームストップ騒動が、株式市場における単発の出来事ではないことを示唆している。先週には、同じように銀価格が一時的に急騰する場面があった。