中国が豪州産石炭の輸入を禁止したことで、中国国内の石炭市場では価格高騰や供給不足などが起き、危機に陥っている。新型コロナウイルスの起源を巡り、独立した国際的な調査を要求したオーストラリア政府に反発した中国は、昨年9月から豪州産石炭の輸入を非公式に禁止した。12月半ばには、中国政府が石炭の大口買い手である電力大手を呼んで供給不足問題を議論する会合を開催し、禁輸措置をその場で公式なものとした。会合では供給不足を解消する方策が議論されたが、禁輸措置が解決を困難にした。中国は燃料炭が不足しており、当局はそれまで最大の供給元だった豪州以外から輸入を拡大するよう指示。石炭価格は昨年半ば以降、84%高騰しているが、中国の買い手は遠方から調達するため、さらに大幅な上乗せ価格での購入を余儀なくされた。12月の会合を招集した国家発展改革委員会(NDRC)はコメントの要請に応じていない。