新型コロナウイルスワクチンが記録的なスピードで開発されたことは偉業だった。ではなぜ、米国でワクチン接種にこれほど長い時間を要しているのか?  その答えはまず、配布が始まった当初数週間に全米の医療用冷凍庫に眠ったままとなっていた数千万回分のワクチンから始まる。  連邦政府は配布開始にあたり、高齢者施設向けに必要量をはるかに上回るワクチンを割り当てた。ワクチンを出荷する連邦政府から、最終的に接種が行われる地方の会場に至るまでに、意思の疎通がうまくいかず、どの程度の予約を受け付けるべきか接種担当者は皆目見当もつかない状況に置かれた。