インフレ? 何のことか? 米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が今週2日間の議会証言を通じ、議会や市場に伝えようとした主なメッセージはそれだ。現代貨幣理論(MMT)がおまけに添えてあった。パウエル氏は、金利上昇も高騰する資産価格も誰も心配する必要はないと告げた。自身とFRBが懸念していないからだという。「経済はわれわれの雇用やインフレの目標には程遠く、大きく前進するには一定の時間がかかるだろう」。同氏は何度もこう述べた。同氏はFRBの使命の一つである最大雇用に照準を定める。新型コロナウイルス感染拡大による過去1年間のロックダウン(都市封鎖)で、約1000万人の雇用が失われたままだ。パウエル氏や他のFRB理事会メンバーが、データには表れないが他にも多く人々が雇用市場を離脱したとしているのは間違いではない。
【社説】パウエルFRB議長の緩和姿勢揺るがず
米国債を買い続けることを約束
有料会員限定
あなたにおすすめ