笑顔の女子高生写真はイメージです Photo:PIXTA

制服も頭髪もピアスも自由。そんな自由すぎる校風ながら、東大合格者を大量に出している渋谷教育学園幕張中学・高等学校。振り切れた変わり者たちが互いを尊重するこの学びの場では、集団生活特有のネガティブ現象も自然と解消されていくという。※本稿は、佐藤 智『渋幕だけが知っている「勉強しなさい!」と言わなくても自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。

「アイデンティティ」を軸に
個性的な人生を歩む渋幕生たち

「渋幕的自由」(編集部注/服装から勉強に至るまで、生徒の自主性を強く尊重する校風のこと)と同様に生徒や卒業生からよく聞く言葉として、「アイデンティティ」があります。

「制服の上に何色のセーターを着るか」といった見た目のことから、進路選択に至るまで。渋幕生は、「アイデンティティ」を重視します。

 その結果として、アナウンサーの水卜麻美さんや皆藤愛子さん、サッカー選手の田中マルクス闘莉王さん、小説家の小川哲さんや彩瀬まるさん、落語家の立川志の春さん、ピアニストの髙木竜馬さん、日本マイクロソフト社代表取締役の平野拓也さん、実業家でUESHIMA MUSEUM COLLECTIONを創設した植島幹九郎さんなど多様な業界で個性を輝かせて活躍している卒業生がいるのではないでしょうか。

 卒業生の人生は実に多様です。中高時代に磨かれた自身の個性がオリジナルの道を拓くことへとつながっていると感じさせます。

 渋幕の生徒たちは自身のアイデンティティと向き合って、それを体現しています。

 服装の自由は生徒たちにとってアイデンティティをわかりやすく表現するもの。卒業生や在校生の中でも、「靴、鞄、茶髪、ピアスもすべて自由!」という声が聞こえてきました。