金融市場は、たった1年前に数十年ぶりの深刻なリセッション(景気後退)に陥った米経済が近く急回復を遂げるとのシグナルを発している。米主要株価指数は、24日のダウ工業株30種平均を含め、今年に入り過去最高値を32回更新した。長期債利回りは上昇基調にあり、個人や企業の資金需要の高まりを示している。インフレ期待は数年ぶりの高水準だ。原油からゲームソフト小売り大手ゲームストップ株価、暗号資産(仮想通貨)ビットコインまで、市場ではあらゆるものが値上がりしている。慎重論も長くは続いていない。今週に入り、景気回復期待を背景とする長期金利の上昇で、妙味が薄れるとの懸念からハイテク株が売り込まれた。だが、長期にわたり低金利を維持するとしたジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の23日の発言で、急反発した。
米経済の急回復示す市場、楽観シナリオの死角
グラフで読み解く上昇相場の意味
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