ブライアン・キャンベルさんはある日の午後、ズームで全社会議を視聴していたとき、画面に通常とは違うものが映し出されたことに気がついた。自分の家だ。会社の最高経営責任者(CEO)が、自分の家の玄関に向かって歩いているように見えた。テキサス州オースティンの新興企業ドッシュで上級ソフトウエアエンジニアとして働くキャンベルさんは、慌てて立ち上がり、姿勢を正そうと考えたが、それよりも切迫した問題があった。ズボンだ。キャンベルさんが急いでパジャマのズボンを脱ぎ、ちゃんとした服を着ている間、ドッシュのライアン・ワーチCEOとその妻は玄関の近くで待ち、スマホでズームの会議を配信したまま動画を撮影していた。ワーチCEOはクリスタルガラス製のトロフィーと1000ドル(約10万6000円)の小切手を手にしていた。それは会社が毎月選出している「CEOバリュー賞」の受賞トロフィーと賞金だった。
急いで着替えろ、CEOが玄関先に コロナ禍の新常態
経営者自らが報奨金を直接届けるなど、企業は在宅勤務者の士気向上にあの手この手
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