新型コロナウイルスワクチンの接種が世界的に進む中、各国で接種を証明する「パスポート」の発行を巡る議論が本格化してきた。ただ、未接種者を日常生活から排除することにもなりかねず、倫理的な問題や実際の管理方法に関して懸念する声が上がっている。英政府は先頃、バーの利用やオフィス出勤、スポーツ観戦などにワクチンの接種か、検査での陰性結果の証明を国民に義務づけるかどうか、検討する方針を明らかにした。イスラエルでは先週、接種者にホテルやジムの利用を認めるワクチンパスポートの発行が開始された。サウジアラビアは接種者に対し、アプリ経由でヘルスパスポートの発行を始めたほか、アイスランド政府は海外旅行を可能にするワクチンパスポートを配布している。ジョー・バイデン米大統領は先月、接種を示すデジタル証明書の構想が実行可能かどうか、政府機関に検討するよう命じる大統領令に署名した。