ホンジュラス出身の15歳の少年、エルデル・クルス君は先月下旬、グアテマラとメキシコ南部の国境付近で、メキシコの移民当局によって拘束され、本国に送還された。だが、2年余り前に母をなくして孤児となったクルス君は、米国の国境を再び目指すことを断念していない。「(ドナルド)トランプはもう米国の大統領ではなくなり、新大統領がいる」からだ。クルス君はジョー・バイデン大統領の名前も知らない。母親が死んで以降は、ホンジュラスの町サンペドロスラ近郊のスラム街で友人の家を転々としながら暮らしているという。「友達から、新しい大統領になって米国に入るのが容易になると聞いた」米国への不法移民の大半を占めるメキシコや中米で、米国の移民政策の詳細を把握している人は多くないが、ある点では意見が一致する。つまり「トランプ氏よりはバイデン氏の方が移民に対して寛容だろう」との見立てだ。
中米の若者再び北上、バイデン氏の移民政策に期待
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