勉強する中学生写真はイメージです Photo:PIXTA

教科書や参考書の勉強だけでは太刀打ちできないのが、渋谷教育学園幕張中学の入試問題だ。地政学や野鳥の知識など大学入試レベルの問題がズラリと並ぶが、知的好奇心旺盛な子だけが解ける仕掛けが隠されている。東大合格者を多数輩出する渋幕が、本当に大切にしている力とは?※本稿は、佐藤 智『渋幕だけが知っている「勉強しなさい!」と言わなくても自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。

渋幕の入試で問われるのは
思考力、読解力、好奇心

 入試問題には、その学校が育成したい生徒像が投影されます。私立校には建学の精神があり、その実現に向けてあらゆる学びが設計されていく。その学びの入口が、入試問題です。

 渋幕でいえば、「自調自考(編集注/渋幕が掲げる教育目標の1つ。「自ら調べ、自ら考える」こと。近年では、「自らを調べ、自らを考える」という意味へと深化している)の力を伸ばす」「倫理感を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」が建学の精神にあたり、あらゆる教育活動がそれを軸に設計されています。

 渋幕の入試の傾向としていえることは、国語・算数・社会・理科の4教科すべて、文章量が非常に多いということでしょう。他の難関校と比較しても、長文が出題されます。

 つまり、「読解力」がとても重要となるのです。

 学園長講話の中でも教養が重視されており、その思いからか、日頃から活字に親しむ習慣が問われているように感じます。

 また、「思考力」も問われています。

 最近は中学入試全般において、「思考力」が重視されるようになりました。その中でも、渋幕はその傾向が顕著です。国語・社会・理科は知識を詰め込む学習だけではどうにもならない、知識を活かす力が問われています。