米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は2月に入ってから今月8日の取引終了までに30%近く下落した。一方、米石油大手エクソン・モービルは30%余り跳ね上がり、昨年初め以降のパターンが見事に逆転した。原油が盛り返し、EVは突如として流行遅れになったと結論付けるのは容易だ。だが、前者は部分的にしか正しくなく、後者は明らかに誤りだ。実のところ足元の動きは、景気刺激策がけん引する経済と、それによる米国債利回りへの影響という、より大きな2つのトレンドを如実に物語っている。テスラは長期の賭けであり、エクソンは短期の賭けだ。投資家は昨年、険しい短期見通しと連邦準備制度理事会(FRB)による金利と米国債利回りの押し下げという組み合わせを受け、長期の展望に目を向けざるを得なかった。11月以降、2つの流れが反転する中、投資家は短期的な利益に一段と着目している。