筆者はかねて自閉症の息子が社会人になった時、うまくやっていけるのか心配だった。アスペルガー症候群という名称でかつて呼ばれた自閉症の一種を抱える一方で、頭脳は明晰、信じられないほど親切で、やる気になったことは何でもできる。だが感覚面の課題と独特の交流スタイルのため、昔ながらの職場で働くのは彼には困難かもしれなかった。周囲の騒音や蛍光灯の光による過剰負荷、絶え間なく会話することへの不安など、自閉スペクトラム症の人々にとってオフィスには難易度の高い問題が数多く存在する。ところが新型コロナウイルスが可能性を塗り替えた。リモートワークが全員にとって当たり前となり、オフィス環境にうまく適応できない人々が成功しやすくなった。神経学的な定型発達者(すなわち自閉症ではない人々)が在宅勤務を強いられる中、障害を持つ従業員のリモート環境を支援することへの長年の抵抗感が消えた。
自閉症者に希望の光、リモートワークで才能開花も
自閉スペクトラム症の人々にとってオフィスには難易度の高い問題が数多く存在する
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