金融界でいま最も目立つトレンドを30年前にさかのぼると、同じロースクールで学んだ旧友2人の関係に行き着く。いま彼らはその報酬をついに手にし始めた。投資銀行家デービッド・ナスバウム氏(66)と弁護士のデービッド・ミラー氏(66)は1993年、未公開企業が個人投資家にアクセスする新たな方法として「特別買収目的会社(SPAC)」を考案した。彼らのこれまでのキャリアでは、SPACはめったに利用されることのない地味な存在だった。だがここにきて大ブームを巻き起こし、金融やテクノロジー、エンターテインメント業界の大物もSPAC活用に乗り出した。ナスバウム、ミラー両氏はかつてない多忙な日々を送っている。「突然のセンセーションが起きるまで27年かかった」。こう話すナスバウム氏は、ニューヨーク州ロングアイランドのロズリン出身で、SPACに特化した投資銀行アーリーバード・キャピタルの共同創業者だ。