労働市場のタイト化は物価上昇を招くものだ。だが少なくとも向こう数カ月は、米雇用市場の回復ペースが速いほど、インフレ圧力は弱まることが予想される。米労働省が10日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇した。ガソリン価格の上昇が指数を押し上げた。食料・エネルギー品目を除いたコアCPI(基調的なインフレ率を捉える上でエコノミストが利用する)は前月比0.1%の上昇にとどまった。前年同月比ではCPIが1.7%上昇、コアCPIは1.3%上昇した。大した上昇ではないが、これは変化しそうだ。まず前年比で言えば、物価が下落した新型コロナウイルス危機の初期とぶつかることになる。だがそれだけではない。ワクチン接種と政府の追加救済策がまもなく実施されることから、エコノミストらはインフレ率見通しを上方修正している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想では、6月のCPIは前年比2.8%上昇となっている。半年前の予想では2.2%の上昇だった。