われわれは、本紙論説室編集者に書簡を寄せている香港の陳茂波財政官に、同情に近い気持ちを抱いている。同氏は、米ヘリテージ財団が毎年発表する経済自由度指数で、香港がリストから外されたことに動揺している。香港は同指数の評価リストで何年間もトップの座を維持していた。陳氏は、誰でも簡単に分かる事実を否定するという、不可能な仕事に取り組んでいる。その事実とは、中国共産党が香港を、中国本土と同様の姿に作り変えようとしているということだ。これは、ヘリテージ財団のエド・フォイルナー氏が先週、本紙の論説欄で説明した要点だ。シンガポールが同指数でトップとなるまで、香港は25年間トップの座に君臨してきた。2019年の同指数の前書きでは「香港政府は、香港のトップ評価について全面広告を使って宣伝している」と紹介されていた。しかし、中国が香港の中国化をアグレッシブに進める中で、香港は中国の数ある都市の1つに過ぎない存在になってしまった、とフォイルナー氏は指摘している。