中国は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)最終日となる11日、香港の選挙制度を変更する決議をほぼ全会一致で承認した。親中派議員に香港立法会(議会)の実権を握らせ、民主派を排除する内容で、数十年にわたり双方が敵対してきた香港政治は事実上、幕を閉じる。具体的には、愛国者ではないとみなす候補者を拒否できる仕組みとすることで、ある程度の民主主義を認めてきた香港の選挙制度に対する中国当局の支配が一段と強まることになる。中国当局者は今回の変更について、反中派勢力が香港の統治を阻害し、暴動を扇動することを容認してきた「法的な抜け穴」に対処する狙いがあると説明する。李克強(リー・クォーチャン)首相は決議案の採決後、「愛国者が香港を統治する」原則を堅持し、中国の「一国二制度」の枠組みを改善するためのものだと記者団に語った。
香港から消える民主政治、議会は「愛国者のみ」に
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