――筆者のケリー・カリー氏は、元米国務省・国際女性問題担当特使 ***  日本の元首相の森喜朗氏は先月、女性はしゃべりすぎるなどとする性差別発言を会合で行ったことを理由に、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長の座を追われた。同発言をめぐる混乱がピークに達した際、国際オリンピック委員会(IOC)は、彼の発言が「完全に不適切だ」とする声明を発表。男女同権は「極めて重要な基本的人権であり、オリンピック憲章の根本原則だ」として、その権利の推進に関するIOCのこれまでの成果を強調した。  しかしIOCには、倫理上の重大な盲点がある。