欧州が再び新型コロナウイルスの猛威に見舞われている。春になってワクチンの接種が進む米国と英国では状況改善への期待が膨らんでいるが、欧州のコロナとの闘いは真冬のまま膠着(こうちゃく)状態が続く。数カ月にわたり厳しいロックダウン(都市封鎖)を敷いてきたにもかかわらず、欧州連合(EU)加盟国では総じて感染が再拡大している。ワクチン接種をはるか上回るペースで感染力の強い変異株が広がっているためだ。暗いムードに包まれた欧州では、市民の不満が鬱積(うっせき)しており、各国政府は約束した進展への期待と厳しい現実との間で板挟みとなっている。英米では高齢者などウイルスにぜい弱な層のワクチン接種が進む中、感染者・死者数ともに1月以降、大きく減少している。対照的に、欧州では2月半ば以降、再び感染者が増加。人口当たり感染・死者数の割合で、昨年はほぼ米国が欧州を上回って推移していたが、足元ではこれが逆転している。
欧州コロナ「第3波」危機、米国と状況逆転
ワクチン接種の出遅れと変異株、政府の優柔不断があだに
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