欧州が再び新型コロナウイルスの猛威に見舞われている。春になってワクチンの接種が進む米国と英国では状況改善への期待が膨らんでいるが、欧州のコロナとの闘いは真冬のまま膠着(こうちゃく)状態が続く。  数カ月にわたり厳しいロックダウン(都市封鎖)を敷いてきたにもかかわらず、欧州連合(EU)加盟国では総じて感染が再拡大している。ワクチン接種をはるか上回るペースで感染力の強い変異株が広がっているためだ。暗いムードに包まれた欧州では、市民の不満が鬱積(うっせき)しており、各国政府は約束した進展への期待と厳しい現実との間で板挟みとなっている。