なだらかな丘陵地帯が広がる米ノースカロライナ州ピードモント台地は、国家的優先課題となっている次世代技術変革の舞台には似つかわしくないように見える。その仕掛け人はここで生まれ育った地質学者のラモント・レザーマン氏(55)だ。同氏は10年前、リチウムを探すために子供のころ住んでいた家の近くの森をくまなく歩き回った。あの白く柔らかい金属が急成長する電気自動車(EV)業界にとって不可欠な材料になると信じて。5年前に同氏の働きで設立された鉱山会社ピードモント・リチウムは目下、所有または管理する930万平方メートルの土地全体に掘削リグを配置し、米国では数十年ぶりとなる大規模なリチウム鉱山の操業開始に向けて準備を進めている。
米EVの未来託すリチウム生産、その仕掛け人とは
米国はリチウム採掘で出遅れ、中国などに依存
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