この1年は、世界と、とても大勢の人たちの生活に非常に多くの変化をもたらした。大人になってからほぼずっと遠征で動き回っている私にとって、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)はじっとしていることの素晴らしさを教えてくれた。私たちは行動するほど生産的になれると思わされているが、パンデミックは必ずしもそうではないことを証明している。常に行動しているからといって、人生が創造的でポジティブな方向に向かっているわけではない。渡航ができないことで、私は身体的に行動が制限されただけでなく、性格的にも落ち着いた。おかげで自分の思考と心の中を見つめ直し、新たな方法で成長することができた。比較的静かに自宅で過ごした時間がなければ、私が今認識しているような世界に気づくことはできなかっただろう。私は初めて、ニュースをもっと頻繁に、そして、より深く読んだり聴いたりし、世界に影響を与えている問題を理解することができた。テニスプレーヤーとして、常にそれができていたわけではなかった。世界を飛び回っていないのに、もっと世界について知るようになったというのは皮肉なことだ。
大坂なおみ、コロナの1年「成功はコートの外に」
パンデミックはじっとしていることの素晴らしさを教えてくれた
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