米国の経済見通しは諸外国より明るく見える。それが今年の予期せぬドル高の原動力となっている。投資家はこれまで、新型コロナウイルスによる都市封鎖(ロックダウン)からの回復で世界が足並みをそろえれば、ドルは安くなると考えていた。ところが今、米国は他の国々とは一線を画している。その特殊性の裏を返せば、インフレ加速に対する懸念の高まりがあり、最終的にはドルの先行きが反転しかねないと一部の投資家はみている。ドルは1月初め以降、米国の主要貿易相手国の通貨に対して2.5%近く上昇している。以前の予測ではドルが2021年に最大20%下落するとの見方もあった。大きな違いは、米議会で1兆9000億ドル(約207兆円)規模の追加経済対策が成立したことだ。それに伴い米国の多くの家庭に1400ドルの小切手が届けられることになった。
ドル高進むか? カギ握る米経済対策とインフレ懸念
巨額のコロナ救済策と予想外の速さで進むワクチン接種が成長予測とインフレを加速か
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