「小さな会社」による
大きな社会貢献
経営者の幸せ・やりがいはもう1つあります。雑誌などの「社長さんインタビュー」では、よく次のようなお話がされます。「会社をどんどん大きくして、社員をたくさん雇い、雇用の確保に貢献したい」というものです。
もちろん、これは本当に立派な考え方だと思いますし、否定するつもりはまったくありません。しかし、私のような才能のない普通の経営者は、普通の経営者なりの社会貢献ができるはずです。「小さな会社の社会貢献」について考えてみたいと思います。
まずは、納税や寄付による社会貢献が挙げられます。小さな会社の場合、利益を出せば、その約40%程度を税金として支払うことになります。「規模を大きくしたはいいものの、利益が出ず、納税がほとんどされない」という会社も多い中、金額は小さいながらも納税をしっかりすることで、立派な社会貢献になっていると思います。
また、もしサラリーマンの方が本連載を読んで、小さな会社を立ち上げて利益を出したとすれば、私にとってとても嬉しいことです。そういった成功例が増えることで「思い切って起業しよう」という人が増えれば、それは社会全体にとってプラスです。
小さな会社が増えるということは、それを経営する経営者(同時に、その事業に投資する投資家)が増えるということだからです。その会社がしっかりと利益を出し、納税をすることができれば、大きな社会貢献につながります。