予測された景気回復が現実へと切り替わるにつれ、米連邦準備制度理事会(FRB)は過去に何度もてこずった問題に直面するだろう。マネーの蛇口をいずれ堅く締めるというシグナルをどのように出すかだ。FRBが大規模な債券購入プログラムを終了し、続いて金利を引き上げるプロセスは、予想以上にインフレ率が急騰しない限り、何年もかかる。長い歩みの最初の一歩はそれについて語り始めることだ。今後数カ月か数週間でその段階に入る。ジェローム・パウエルFRB議長にとっては金融市場との関係で次の大きな試練となる。まず当局者は、長期金利を抑える目的で昨年6月から続けている月間1200億ドル(約12兆9000億円)強の米国債および住宅ローン担保証券(MBS)の購入について、段階的縮小(テーパリング)をいつどのように行うかという議論に着手するだろう。