休むことに「罪悪感」を持ってしまう人がやるべきことPhoto: Adobe Stock

集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
「人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。

「仕事からの出口」を確保しているか?

「なかなか仕事が始められない」という悩みはよく聞きますが、それと同じくらい「仕事から離れられない」という問題も重大です。

 マジメで責任感が強いと仕事から抜け出せなかったり、つい休むことに罪悪感を持ったりしてしまいがちです。

攻めのオフ」という言葉がありますが、仕事への深い集中をつくるためには、メリハリをつけて、休むときはちゃんとリラックスすることが重要です。

 ソファに寝そべりながら少しだけ休もうとすると、緊張とリラックスが「3:7」くらいの状態で、ついダラダラしてしまいます

 しかし、中途半端に休むくらいなら、ハッキリと20分程度の昼寝をしたり、風呂に入ったりしたほうがよいでしょう。

 これまでは一般的に、8時間会社で働いている中で、途中で誰かと雑談したり、ランチを食べに行ったり、外出で移動したりなど、ゆるやかなリラックス時間が外的要因でつくられていました。

 8時間労働でも、実質的に仕事に向き合っている時間は、5~6時間程度だったかもしれません。

 それが在宅勤務になると、8時間以上の時間をフルに仕事にあててしまいます。

 特に、定常業務系ではなく、クリエイティブ系の仕事の人にとっては、出社と退社で明らかな区切りを持てていたコロナ前と違って、ずっと仕事から離れられない状態に陥りがちです。

 さらに、独身でワンルームだと、「試験日まで半年くらいある受験生」のような感覚になってしまい、時間をかけて延々と働いてしまうでしょう。

 そこから脱するためにも、思い切った攻めのオフを作ることが大切なのです。

「ソファでは仕事関係の作業はしない」
「リビングでは家族との時間しか過ごさない」

 など、それぞれの役割に合わせて場所を決めてしまい、仕事の出口にしましょう

 同じ場所で、食事や仕事、趣味のことをすべてやる。スペースが限られている人もいるかもしれませんが、そういう環境はできるだけ変えるようにしてみてください。

井上一鷹(いのうえ・かずたか)
株式会社ジンズ執行役員 事業戦略本部エグゼクティブディレクター 兼 株式会社Think Lab取締役
NewsPicksプロピッカー(キャリア)
大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。
著書『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)が好評発売中。