集中の超プロが「集中が途切れたら窓を開けよう」とすすめるワケPhoto: Adobe Stock

集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
「人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。

「二酸化炭素の濃度」を保つ

 一見、「集中」と直接関係ないように思えることですが、実は「換気」は効果的な方法です。

 部屋の二酸化炭素(CO2)濃度が集中力や仕事のパフォーマンスに影響を与えることが実験でわかっています。

 これも私たちの実験の結果ですが、CO2濃度が低いほうが集中しやすいのです。

 また、室温も影響します。男性の場合は「23℃程度の環境」女性の場合は「25~26℃の環境」が、もっとも集中しやすいという結果が出ました。

 CO2濃度については、具体的には、室内では800ppm以下が望ましく、1000ppmを超えると集中が途切れてきます。

 といっても、濃度を測ることはないと思いますので、方法としては「数時間に1回、窓を開ける」ことで、低い濃度を保つことができます。

 リモートワークでなかなか集中ができないときは、ぜひ、換気と室温コントロールに気を配ってみてください。より集中に適した環境にすることができるでしょう。

井上一鷹(いのうえ・かずたか)
株式会社ジンズ執行役員 事業戦略本部エグゼクティブディレクター 兼 株式会社Think Lab取締役
NewsPicksプロピッカー(キャリア)
大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。
著書『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)が好評発売中。