――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  ジョー・バイデン米大統領が欧州各地で相次ぎ首脳会談に参加する中、ドナルド・トランプ前米大統領の破壊の記憶は薄れ始め、その穏やかな外交ショーは威厳ある姿を取り戻しつつある。おなじみの儀式が復活し、イングランドのコーンウォールでは、会談が開かれ、コミュニケ(共同声明)が作成され、全てが調和と光に満ちていた(英国本土から北アイルランドへのソーセージ出荷ルールを巡る欧州内の小さな論争は除く)。ブリュッセルでも同様の状況が見込まれている。米国も、西側諸国も、多国間主義も戻ってきた。全てが順調だ。