――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用の最大化と物価の安定を追求することが法律で義務付けられている。15日から2日間の日程で重要な政策会合が始まっている中、この2大使命は、インフレ率が急上昇する一方で失業率は高止まりしているという厄介な状況にある。FRBは近年では初めて、板挟みのリスクに直面している。金融引き締めが早すぎれば経済を不況に陥れてしまうし、逆に遅すぎるとインフレの高進を許してしまうという状況だ。  こうなるはずではなかった。FRBは昨年夏、新たな金融政策の枠組みを発表した。