中国の経済成長の姿を示すデータの変動要因は、新型コロナウイルスの感染拡大前と酷似している。中国は旧来の産業モデルに火をくべることで、世界経済がなお低迷する中でも2019年の生産水準を回復することができた。だがそれは、中国が長らく抱えるぜい弱性もあらわにしている。中国の5月の経済統計はエコノミスト予想をやや下回ったものの、欧米の基準に照らせば好調に見える。実体を明確に把握するには、16日公表された指標を2019年の同じ指標と比較するのが一番いい。19年の指標は20年初めのような極めて異常なイベントでゆがめられてはいないからだ。今年1~5月は19年の同じ期間に比べ、鉱工業生産は13.6%増加した。小売売上高は9.3%増、固定資産投資は8.5%増、不動産投資は17.9%増となった。
中国の「新経済」、コロナ後も従来と変わりなし
コロナ前後で中国経済成長のけん引役は交代せず、潜在リスクも同じ
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