米国の求人件数が過去最高水準となっていることは、雇用主がかつてない勢いで採用を進めているという印象を与える。しかし、新型コロナウイルスの流行下で人員を削減した事業者の多くは、将来必要になる従業員数がこれまでより少なくなると予想している。過去の経済ショックと同様に、コロナによる景気後退は、自動化投資など雇用削減につながる見直しを雇用主に促す要因になった。ホテルから航空宇宙、レストランに至るまで多くの業界で運営手法の見直しが行われ、長期的な労働コスト抑制の方策が見いだされている。過去16カ月ほどの間に各企業が、より少ない人員でより多くの仕事をこなす方法を学んだことが、経済データから分かる。2021年第1四半期の生産高は、2019年末の水準をわずか0.5%下回るだけとなり、コロナ危機前の水準をほぼ回復した。しかし、労働時間はコロナ危機前を4.3%下回っている。
コロナ禍で失われた米雇用、多くは戻らず
自動化などで採用を抑制する企業
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