インフレは先週再び加速したが、それに対応する債券ファンドの過熱ぶりにはとうてい及ばない。物価連動国債(TIPS)を購入するミューチュアルファンドやETF(上場投資信託)は、4%の利回りさえとっぴに見える債券市場で、8%かそれ以上の利回りを誇っている。モーニングスターによると、そうしたファンドへの2021年上半期の資金流入額は推計363億ドル(約4兆円)に上った。これは1990年代後半にTIPSファンドが誕生して以降、どの6カ月の期間も上回る最高記録だ。8%の利回りに引かれて飛び込みたい気持ちになっているなら、聞いてほしい。インフレ対策をうたうこれらのファンドは、皮肉なことに、自ら報告する利回りを膨らませているのだ。