中国の景気回復、特にサービスと消費における回復を妨げているものは何か?答えはたくさんあるが、このパズルを解くために重要な一片が明らかになりつつある。それは、社会人になりたてで収入のうちの多くを消費に回すことが多い若年層労働者や求職者が苦戦していることだ。この問題が改善されない限り、中国がパンデミック前の消費成長トレンドを取り戻すことは難しいだろう。また、現状に幻滅した元工場労働者から始まった、過重労働を拒否する「タンピン(寝そべり)族」現象など、若者の不満から発生したネット上の動きを完全に抑えるのは難しいかもしれない。中国の景気回復の重荷になっている要因の中には明らかに一時的なものもある。広東省で最近発生した新型コロナウイルスの流行で、深圳にある中国最大級のターミナル、塩田港が閉鎖されたことなどがその例だ。だが、若年層の失業率の上昇は、当初はパンデミックの影響による一時的なものかとも思われたが、長期化し始めている。