ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は7月、モスクワ郊外で開催された国際航空宇宙ショー「MAKS 2021」で新型ステルス戦闘機「LTSチェックメイト」の試作機を視察した。この軽量単発機の開発目的は戦闘能力の向上だけではない。米国に地政学的な「頭痛の種」をもたらすという狙いもある。国営軍事企業ロシアン・テクノロジーズ(ロステック)が開発するチェックメイトは、世界で2番目となる単発戦闘機で、最先端のレーダー探知回避および指令システムを搭載する。この分野で競合するのは米防衛大手ロッキード・マーチンの最新鋭ステルス戦闘機「F35」のみで、米軍が保有する最新の軍用機だ。F35を巡っては各国が購入に強い意欲を示している。そのため米国にとっては重要な国防関連の輸出品であり、安全保障や外交上の目的を推進する一助にもなっている。イスラエル、日本などこれまで15カ国がF35を受け取ったか、購入契約を締結した。