タリバン交渉チームのメンバー。右から2人目がアブドゥル・ガニ・バラダル師（7月、ドーハ） Photo:Kate Brooks/Redux Pictures for The Wall Street Journal
アフガニスタンを支配下に収めた反政府武装勢力タリバン指導部の新たな「顔」となった人物は数年前、米国の圧力のおかげで自由の身となった。
タリバンの共同創設者アブドゥル・ガニ・バラダル師は2001年、米国の支援で樹立されたアフガン政府に対し、タリバンの降伏による決着を申し出た。だがそれは却下された。バラダル師は過去10年のほとんどの間、パキスタンで拘束されていた。
20年を経てバラダル師は権力の座に返り咲いた。トランプ政権時代、米国はタリバンとの交渉を開始。その過程で拘束中のバラダル師を解放するよう働きかけた。バラダル師はタリバンが政治拠点（事実上の大使館）を置くカタールの首都ドーハで対米交渉を主導し、20年に及ぶ戦争への米国の関与を終了させるという形で合意を実現した。
