新築マンションを探すとき、多くの人がウェブサイトから物件情報を探すが、中古マンションは事情が異なる。売り出し中の物件が売れると、物件情報が消されてしまうので情報が偏りがちだ。そこで、流通する情報を補うべく、不動産のプロが推す物件を、直接尋ねるアンケートを実施した。(櫻井幸雄)
複数のプロによる
イチオシ物件を抽出
中古マンションを探している人たちは、誰しも「これを買っておけば間違いない」という物件情報を手に入れたいと思う。たとえすぐには買えなくても、やはり人気商品の名前くらいは知っておきたいものだ。
しかし手に入りやすい情報は、どうしても「今売られているもの」中心。中古マンション市場における「人気商品」を知るためにはどうしたらよいか。本誌は、それを直接「プロに聞く」という企画を立てた。中古マンションの仲介を手がけているプロにアンケートを出し、「売り物が出れば、すぐに売れてしまう幻のマンション」「銘柄指定のウエイティングが続出するマンション」を教えてもらおう、というわけだ。
この依頼に快く応えてくれたのは、全国規模で中古マンションの仲介を手がける6社95人の営業マン。一般には浮上しにくいリアルな人気中古マンション情報が集まった。情報の中から、複数のプロが「これは人気」と名指ししたマンションを“鉄板人気”の中古マンションとして、回答のすべてを本記事6ページ目で鉄道路線別に公開した(下記の「実施要領」参照)。駅別「一番物件」の姿が浮かび上がってくるはずだ。
●住宅評論家・櫻井幸雄氏の選出により、全国規模で営業展開する大手仲介会社(住友不動産販売、大京リアルド、大成有楽不動産販売、東京建物不動産販売、長谷工リアルエステート、三井不動産リアルティ)の協力を受け、アンケートを実施した。
●各社広報部を介し、営業・流通・仲介部門の担当者で、下記6エリアに精通しているプロ(各3名)に、無記名で回答してもらった。
(1)都心6区(東京都中央区、千代田区、港区、文京区、新宿区、渋谷区)、(2)それ以外の東京区部、市部、(3)神奈川、(4)埼玉、千葉、(5)中京圏(愛知、岐阜、三重、静岡)、(6)近畿圏(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)
●質問は、「これから中古マンション取得を考えている人に向け、常にウエイティングがあって、売り出しとともにすぐに買い手が付く、お薦めの中古マンション10物件と、その人気の理由を教えてください」というもの。
●理由は、次の6項目より選択(複数回答)してもらった。それ以外の理由の場合、ひと言コメントを求めた。
(1)交通利便性: 通勤通学のしやすさなどの交通利便性が高い、(2)生活利便性: 買い物のしやすさなどの生活利便性が高い、(3)安全性:防犯、災害への備えなどの安全性が高い、(4)管理状況:管理状況が良好である、(5)設備:住宅設備が充実している、(6)割安感: 現状のコストパフォーマンスが高い
〔アンケートの集計結果〕
●アンケート発送数108通(6社×6地区×3通)に対し、回答数は95通であった(88%)。
●集計総物件数(複数回答も個別に集計)は788物件。
●複数回答を除外した総物件数は614物件。
〔アンケートの発表方法〕
●誌面では複数回答の物件のみを発表したが、Webでは全物件公開する。
●鉄道路線別に整理した。複数路線乗り入れ駅の場合、回答いただいた路線以外の箇所に掲出した場合もある。
●参考価格は坪単価を表示した。回答により、70平方メートル価格か実際の売出価格か不明なものがあったが( )内に入れ、そのまま掲出した。