誤った公共政策の悪影響が明らかになるには、何年もかかることもある。しかしジョージ・フロイド氏殺害事件を受けた昨年の警察への政治的攻撃の場合は、そうならなかった。警察の取り締まりが緩くなったことで、2020年に暴力犯罪が増えたのは、予想通りの結果だった。最近の米連邦捜査局(FBI)のデータでそれが確認された。  米国での殺人事件件数は、2020年には30%近く増えた。1万6000近い法執行機関から得られた犯罪統計によれば、これはFBIが60年前にデータ集計を開始して以来、前年比で最も大きな伸びだ。2020年の殺人事件の犠牲者数は2万1570人となり、前年を4901人上回った。