レビュー
日常を過ごしている上で、なにかしらの「悩み」を抱えていない人はいないだろう。しかしその悩みの解決方法となると、持っている人はほとんどいないのではないだろうか。
「悩み」や「ストレス」は、とかく精神的なものだと思われがちだ。だから対策しようとすると、自然と精神的な方向に向かってしまう。もちろん、それで解決する悩みもあるだろう。けれど奮闘しているはずなのになぜか解決しないとしたら、もしかしたら「行動」が間違っているのかもしれない。
本書の著者は、『学びを結果に変えるアウトプット大全』などのベストセラーの著者でもある、精神科医の樺沢紫苑氏だ。樺沢氏は本書『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す』で、脳科学などの観点から、日常のさまざまな行動を最適化するための方法を記している。朝すっきりと起きる方法、夜リラックスする方法、仕事にやりがいを見出す方法――そのほとんどは、精神的というよりむしろ身体的なものだ。つまり、悩みは行動を変えることで解消できるのだ。
精神的な問題には形がなく、解決の方法を捉えるのはしばしば難しかったり、長い時間がかかったりする。しかし人間の身体は物理的なもので、精神活動はその上に成り立っている。そして、悟りを開いたり人生の目的をすぐに見つけ出したりすることは難しくても、「行動」や「習慣」は今すぐに、今日から変えられる。そして結果もすぐに見えてくる。