ケイボン・モジャラド氏は目下の感染症流行との闘いで――そして次なる流行病との闘いでも――勝利を収めようと奔走している。米陸軍の新興感染症研究者であるモジャラド氏は、人体の病気を引き起こすさまざまなコロナウイルスを予防するワクチンを探求し、現在のワクチンでは防げないかもしれない新型コロナ感染症にも狙いを定めている。その目的は、次の新たなウイルスが世界中に広がるのを防ぐことだ。そうしたワクチンなら、風邪の原因となるコロナウイルスまでも感染を阻止できるようになるかもしれない。モジャラド氏率いる研究チームは、まだ誰も感染していないウイルスも含め、関連ウイルスを一度に阻止するいわゆる万能ワクチンの研究を手掛ける世界の約20グループの一つだ。エボラ出血熱、ジカ熱、新型インフルエンザなど新種の病原体と何年も闘ってきたモジャラド氏をはじめ、新興感染症の専門家たちは、次にやってくる新種の病原体が何であれ、それを阻止するワクチンを手に入れたいと考えている。