ドナルド・トランプ前米大統領の対中貿易戦略にどのような欠点があったとしても、少なくとも同氏には戦略があった。キャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表が4日に戦略国際問題研究所(CSIS)で行った講演から判断して、ジョー・バイデン大統領の対中貿易戦略はトランプ氏のものと見分けがつかない。タイ氏の発言は大いに期待されていたが、中身のないものだった。  タイ氏は、中国がトランプ前政権と交わした貿易に関する「第1段階の合意」の条件を順守していないと述べた。第1段階の合意には、知的財産権や技術移転、米国製品の購入に関する取り組みのほか、農業や金融サービス市場へのアクセス向上が含まれている。